アメリカのマティス国防長官は、中国がアメリカとの約束に反し、南シナ海の人工島に兵器を配備し、
軍事拠点化を進めていると非難したうえで、こうした動きに対抗していく姿勢を示しました。

アメリカのマティス国防長官は、29日、訪問先のハワイに向かう機内で記者団の質問に答えました。

この中でマティス長官は、中国が南シナ海の南沙諸島、英語名・スプラトリー諸島に造成した
人工島に触れ「習近平国家主席は、2015年に軍事化しないと約束したが、先月、以前そこには
なかった兵器を運び込み、まさにそれを行った」と述べ、中国がアメリカとの約束に反し、
人工島に兵器を配備し軍事拠点化を進めていると指摘しました。

そして「私たちは、国際法にそぐわないと信じることには立ち向かっていく」と述べ、軍事拠点化の
動きに対抗していく姿勢を示しました。アメリカ国防総省は、今週、中国が実効支配する島々の
周辺に海軍の艦艇を派遣し、「航行の自由」作戦を実施したほか、来月、ハワイで行う
多国間軍事演習への招待を取り消すなど、このところ、中国への対抗姿勢を鮮明にしています。

マティス長官としては、中国の軍事拠点化をめぐって、多くの国から懸念が示されているとして、
今週末、シンガポールで行われる「アジア安全保障会議」でもこの問題について関係国と意見を
交わしたい考えです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180530/k10011457931000.html