兵庫県豊岡市日高町内の小学校で今年も、児童たちが同市内に生息する希少な両生類「アベサンショウウオ」の飼育に挑戦している。豊かな生態系を守る大切さを伝えようと環境
省が実施する事業の一環。6月下旬まで、同町内の3小学校を巡回して実施される。
アベサンショウウオは、大人でも体長10センチほどの小さめのサンショウウオ。同省のレッドリストで、近い将来、絶滅の危険性が高い「絶滅危惧1A類」とされる。全国では
豊岡市のほか、石川県など日本海側の4府県だけで生息が確認されている。
飼育は、同省の環境普及啓発事業で、昨年度に続き2回目。豊岡市内で捕獲された体長3センチ弱の幼生5匹を水槽で飼い、餌やりや掃除をしながら、子どもたちに生き物のつ
ながりについて学んでもらう。
28日には、同町山宮の清滝小学校にアベサンショウウオが届けられ、3年生14人が同省職員の出前授業を受けた。同省レンジャーの小林峻大さん(27)から「豊かな生態
系を守るには、アベサンショウウオをはじめ、生き物一つ一つを守ることが大事。みんながアベサンショウウオについて知り、お父さんやお母さんにも伝えて」という話を聞いた
後、児童らは、餌のイトミミズを与える方法などを教わった。
餌やりに挑戦した男児(9)は「上級生が去年飼っていたので、アベサンショウウオは知っていた。餌やりは初めてで難しかったけど、頑張ってお世話したい」と笑顔を見せた
。
アベサンショウウオは同小で2週間飼われた後、静修小、日高小と順番に移されていく。
https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201805/0011304427.shtml