今月22日、米カリフォルニア州の空軍基地から、2基の観測衛星を搭載したファルコン9ロケットが打ち上げられた。
高温の爆風によって、「キヤノン製」のデジタル一眼レフカメラが一瞬にして燃え上がったが、驚いたことに
遠隔操作によって最後まで撮影を続けていたという。
悲惨な姿に変貌したカメラの持ち主は、NASAで長年カメラマンとして活躍してきたビル・インガルスさん。
ビルさんは今月22日、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地にあるスペースX社の発射台から
400m地点に、いつものように愛機「Canon DSLR」6台をセット。自分自身は少し離れた場所で、
遠隔操作によってロケット打ち上げの撮影に挑んだ。
スペースX社のファルコン9はこの日、地球の水の循環を観測するための双子の衛星「GRACE-FO」と、
5基の通信衛星イリジウム・ネクストを搭載し、現地時間午後12時47分、打ち上げられた。
ロケットの打ち上げと衛星の軌道投入は予定どおり成功したが、ビルさんがカメラの設置場所に
回収に戻ってきたとき、6台のうちの1台は哀れ“トースト”されていた。
ロケット打ち上げに備えて発射台近くで待機していた消防署員は、カメラが燃えているのに気づいて消火したが、
レンズフードから何からどろどろに溶けてしまった。
89年からスペースシャトルの打ち上げや探査機の写真を撮ってきたビルさんにとって、ロケットの打ち上げ中に
カメラが壊れたのは初めて。だが驚いた事に、このカメラはファルコン9が上昇を開始し、大量の白煙をあげている
最中にも、健気にシャッターを切り続けていた。
ロケット発射を遠隔操作で撮影する場合、カメラにとって最大の敵は石や破片が飛び散ってレンズを傷つける事だが、
このカメラはボディを燃やす炎さえ記録していたという。
「やれやれ。でもケガの功名で良い写真が撮れたと思いますよ」とビルさんは満足そうだ。
http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/2/4/9/24922/33216265_10213781964758091_3994711088728899584_o-1.jpg
溶けたカメラが消火の寸前に写した写真
そーすに動画
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/4/24922.html
カメラが溶けた!ロケット発射の威力「Canonはそれでも撮っていた…」