まずは、燃料を満タンにするんだ。
そして、ほんの少し麦茶を入れる。
そう、ほんの少しだけだ。
それから給油の度に、麦茶の割合を、少しずつ少しずつ増やしていく。
この時、絶対にA.Iに気づかれてはいけない。


やがて、お前のエンジンは、100%麦茶で走るようになるんだ。
ノッキングも減り、カーボンの堆積もなくなって絶好調だったよ。
そう、絶好調だったんだよ……
実は、気づかれてしまってな。
それからは、給油の度に全神経を尖らせて見てやがる。
もう、ほんの少しですら麦茶を入れることはできない。
そう、一度気づかれてしまっては、もう二度とできない……