新元号「日本の古典からもありうる」
京産大・所功名誉教授
http://s.kyoto-np.jp/politics/article/20180511000030
京都産業大日本文化研究所(京都市北区)が同大学でこのほど開いた研究会で、皇室制度に詳しい所功名誉教授が「元号」の決定過程について講演した。所名誉教授は元号の歴史を振り返りつつ、来年5月の改元に向けて「新元号は日本の古典からとる可能性もありうる」と語った。
所名誉教授は、近世と現代の元号決定の過程を解説し、「30年前の『平成』決定時には従来通りに漢籍からとるという思い込みが強すぎた」と振り返り、「日本の古典も元をたどれば漢籍に基づく。新元号は日本書紀や古事記、万葉集、十七条の憲法からとってもいいのではないか」と述べた。
元号の採用は、他国で未使用で典拠があり、地名や人名などに俗用されていないことが条件と説明。だが、実際は「『昭和』は中国の明の時代に昭和王という王の一族がいた。『平成』も岐阜県に小字で『平成(へなり)』と呼ぶ地域があった」と明かした。
また、新元号の決定日については、天皇陛下の即位30年を祝う記念式典がある来年2月24日が有力とし、「『平成』は、幕末の『慶応』の時も候補の一つだった。『明治』も11回目でやっと採用されている。これまで未採用の元号は524個あり、条件を絞ってそこからとる可能性もありうる」と話していた。