人類が滅亡した後、世界を支配するのは誰だろうか? 有力候補として挙げられるのは、最高の知性と永遠の命を持つAIロボットだろう。
だが、今月20日に科学ジャーナル「Science」に掲載された論文によると、人類滅亡後に世界の覇権を握るのはAIではないという。では、一体なんなのだろうか?

 意識高い系ニュース「Big Think」(21日付)によると、米・ニューメキシコ大学の生物学者フェリサ・スミス教授率いる研究チームの分析
により、「ウシ」が人類滅亡後の地球で繁栄することが判明したという。サイエンスフィクションの想像力も超える信じがたい結論だが、著
名な研究者らが真剣に考えた結果だというから信じるしかあるまい。では、その理由は何だろうか?

 米誌「Wired」(19日付)によると、人類が世界中に広がっていったことで、多くの大型哺乳類が絶滅したことがその一因だという。1頭狩
るだけで、多くの肉を提供してくれる大型哺乳類はハンターの的になり易かったからだ。研究者らは、初期の人類がアメリカ大陸で食料にし
た肉の70%〜80%は大型哺乳類だと予測しており、それらの絶滅に貢献したという。

 そんな中、人間が他の動物よりも優先的に扱い、その肉・乳・皮のために家畜化してきたのが「ウシ」である。現在、15億頭ほどのウシが地球
上にいるとされているが、これは犬と猫を合わせた数(それぞれ5億匹ほど)よりも多いそうだ。この調子でいくと、人類亡き後、地球で大多数を占める大型哺乳動物はウシになるというわけだ。

 今年亡くなったスティーブン・ホーキング博士が警告しているように、温暖化などの地球環境の急激な変化により、人類が地球に住むことが
できるのは残り100年ほどであり、それまでに地球外惑星に移住する必要があるとされる。この時には、1日に24〜100種類の動物が絶滅するよう
になるとのことだが、ウシは個体数が多いため、そう簡単には絶滅しないと
研究者らは考えているようだ。人間がいなくなった地球で、彼らは草を食べながら、気温上昇とともに徐々に北に移動し、遂に生存できなくな
るほど気温が上昇するまで短い覇権を楽しむという。

 恒温動物は寒冷な地域では体長が大きく、温暖な地域では逆に小さくなるとするベルクマンの法則に従うと、もしかしたら気温が上昇するにつ
れ、ウシたちがどんどん小型化し、やがて手乗りサイズのウシが生まれてくるかもしれない。そんなかわいいウシなら是非とも見てみたいもの
だが、その時に人類は地球にもはやいないだろう。ウシたちには人間のいない世界で伸び伸びと暮らしてもらいたいものだ。
(編集部)


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