「できなかったこと」は無視。「できたこと」だけを見つめる
 前回、そして前々回の記事でもお伝えした通り、成長のカギは「自己肯定感」です。では、どうすれば自己肯定感を高めていけるのか
? それは、思い切って「失敗」や「できなかったこと」を無視することです。失敗から多くの学びがあることは否定しません。しかし、自己肯定感が低い状態では、自分と向き合えず、学びにたどり着くことはできません。

 ですから、今日から「失敗」や「できなかったこと」に注目するのはやめましょう。失敗やできなかったことは完全に無視してください。
あなたが見つめるべきは、ただ1つ。「できたこと」です。「できたこと」は人と比べず自分軸で考えてください。自分が「できた」と思
えば、それは「できたこと」なのです。自分軸で考えれば、誰も否定できません。「できたこ
と」に自を向けると、「よし! できた。気持ちいい、やったぞ、嬉しい」とポジティブな感情が自然にわいてきます。こうして自己肯定感が高まっていきます。

 先日、NHKの「奇跡のレッスン〜世界の最強コーチと子どもたち〜」というテレビ番組を見ました。その日の内容は、数多くの有名プロ
ゴルファーを指導してきたルディ・デュラン氏が公立中学校のゴルフ部を指導するというもの。デュラン氏は「失敗は忘れ、いい記憶だけ残
そう」とアドバイスし、反省ばかりの子どもたちを前向きに変えていきました。最初、生徒たちはショットを打って失敗すると、曇った表情や顔を歪めたりします。そんな生徒たちにデュラン氏は言います。


「失敗には意味がないので考えなくていい」「クリエイティブに発想できれば、プレーは楽しくなりスコアもよくなる」

 ある生徒が、「低いフェード、高いドローボールを打つにはどうしたらいいか?」と質問した際には、「そんなことは必要ない。自分が
得意なショットを最大限生かせばいい。自信があるショットを信じて打てばいいんだ」とアドバイスしていました。デュラン氏も、「できたこと」から自己肯定感を高める指導者の一人だったのです。
http://diamond.jp/articles/-/164903