(CNN) 中国軍が南シナ海の海上と上空で大規模な軍事演習を行っていたことが、衛星画像で明らかになった。
「航行の自由」作戦を続ける米国に対し、中国の軍事力を誇示する狙いがあったと専門家はみている。
専門家によると、プラネット・ラボ社から提供された26日付の衛星画像には、中国の空母「遼寧」と数十隻の艦船が、海南島南部沖の海上に集結した様子が写っていた。
海上安全保障に詳しい研究者のコリン・コー氏によると、遼寧は過去にも南シナ海を航行しているが、これほど多くの海軍艦船が同地域で演習を行うのは極めて異例。
「これが新たな常態だ。単発的な武力誇示ではない」と同氏は解説する。
中国は23日に、南シナ海で実弾演習を行うと発表していたが、演習の日時は明らかにしていなかった。
衛星画像に写っているのがこの演習なのかどうかは不明。中国軍は、遼寧の動向に関する情報を公表していない。
中国は3月に入り、南シナ海で連続して軍事演習を行っている。中国国営メディアは、26〜27日にかけて実施された水陸両用車の演習の様子を伝えた。
25日には国営メディアが、南シナ海と西太平洋の上空で空軍が演習を行ったと発表した。
台湾国防部によると、21日には遼寧が台湾海峡を通過して南シナ海へ向かった。
一方、米国は南シナ海で定期的に、航行の自由作戦を続けており、23日には駆逐艦「マスティン」が、中国がミスチーフ礁で造成した人工島から12カイリ(約22キロ)内を航行。
これに対して中国外務省は「軍事的挑発」として強く反発していた。
東南アジア研究所の研究者イアン・ストーレイ氏は中国の軍事演習について、「一連の航行の自由作戦に対する反応だった可能性がある」と解説している。

https://www.cnn.co.jp/world/35116876.html
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