放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会が8日、沖縄県の基地反対運動を扱った東京MXテレビの情報バラエティー番組「ニュース女子」で、
市民団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シン・スゴ)共同代表(59)の名誉を毀損(きそん)する人権侵害があったと認めたことを受け、辛氏は同日、東京都内で記者会見し、「民族差別と認定され、涙が出た」などと語った。

「報道内容が差別的だ」とする辛氏らの訴えに対し、BPOは、出演者の発言、テロップ、ナレーションなどを重ねて流すことで、辛氏が「基地反対運動の黒幕」と受け取られる内容になっていたと認定。
「各事実の真実性は立証されておらず、名誉毀損が成立する」とした。

辛氏は「放送人としての最後の良心だ。これはダメなんだと明確に指し示してくれた」とBPOの判断を評価。
同席した神原元弁護士は「(辛氏が)基地反対運動の黒幕であるというのはデマであって、悪質な人権侵害であることが確定した。蒸し返すような言動があれば、法的措置を取る。沖縄のデマは絶対に許さない」と強調した。

番組放送後、インターネット上で誹謗(ひぼう)中傷を受けたと訴える辛氏は「ネットは散弾銃だ。撃たれたら拡散する。検証する術がない」と主張。
身の危険を感じ、ドイツに移住したことを明かし、「朝、ポストを開けて普通の便りが届くことが、こんなに楽しいことかと思った」と述べた。

一方で、「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員、我那覇真子氏(28)からの公開討論を求める質問状については、「デマに対して答える必要はない」と述べた。(WEB編集チーム)

http://www.sankei.com/entertainments/news/180308/ent1803080009-n1.html
http://www.sankei.com/images/news/180308/ent1803080009-p1.jpg