スラエルのテルアビブで18日、ポーランド大使館の門などに第2次世界大戦時のナチス・ドイツを象徴するかぎ十字の落書きが見つかった。
前日には、ポーランドのマテウシュ・モラウィエツキ首相が、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)に協力したユダヤ人もいたと発言し、イスラエルが激しく非難していた。
大使館施設ではこのほか、ののしり言葉や「殺人者」と書かれた落書きも見つかり、テルアビブ警察が捜査を開始した。
モラウィエツキ首相はその後、報道官を通じ、「ナチス・ドイツが行った大量殺人」の責任をユダヤ人犠牲者たちに負わせる意図はなかったと釈明した。
ポーランドでは今月、ポーランド国民あるいは国家がナチスの犯罪の共犯者だったと非難することを禁じる法律が成立している。
法律はアンジェイ・ドゥダ大統領の署名によって成立しているものの、妥当性について憲法裁判所に判断が求められている。

18日に、ポーランド大使館の門や掲示板に、かぎ十字やポーランド人を嘲笑する下品な言葉がマーカーペンで書かれているのが明らかになった。犯行を名乗り出た人物は現時点でいない。
テルアビブの当局者は、警察による捜査が始まっていると語った。

モラウィエツキ首相の発言は、ドイツ・ミュンヘンで開かれていた国際シンポジウム「ミュンヘン安全保障会議」に出席した際のもの。
ポーランドの首相府は後で首相発言について釈明した。写真は安保会議で記者会見に臨むモラウィエツキ首相(17日、ドイツ・ミュンヘン)
ポーランドでの新法について、ポーランド人のナチス協力者がいたと発言した場合にも犯罪に問われるのかと、イスラエルのジャーナリストから質問を受けた同首相は
「まずこれを理解しておいてもらうのが重要だが、もちろん、ポーランド人の犯人がいたと言うのは犯罪にならない。
ユダヤ人の犯人もそうだし、ロシア人の犯人もそう、ウクライナ人もそうだ。(中略)ドイツ人の犯人だけではない」と語った。

(以下略)

http://www.bbc.com/japanese/43108832
https://ichef.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/A562/production/_100083324_de27-1.jpg