ソニーは次世代カート「SC―1」の走行実験を沖縄県名護市のカヌチャリゾートで実施している。

窓がなく、高感度センサーで感知した車外の風景をフロントガラス部分にある4Kテレビに投影。
暗がりでもヘッドライトなしで景色を見ることができる。
カヌチャでは、映像にコンピューターグラフィックス(CG)を重ねてエンターテイメントとして活用。夜の観光コンテンツとしての可能性を探っている。(政経部・照屋剛志)

SC―1は2人乗りで、5台の高感度センサーで車の周囲360度を把握。車内前方にある49インチ4K液晶テレビに車外の風景を映し出す。

インターネットを経由して遠隔で監視と操作ができる。ソニーが4年がかりで開発を進めている。自動走行も目指している。

カヌチャでは電磁誘導線を使って、夜間に利用されていないゴルフコースで走行実験を実施。
9日から18日まで宿泊客らに提供し、感想などを聞いている。

時速6キロで10分をかけて巡るコースで、カヌチャの森をテーマに車外の風景とアカショウビンや猿の群れなどのCGを組み合わせている。
虫や鳥の鳴き声、川のせせらぎなどの音響も加えて空間を演出している。

宿泊客からは「CGが風景と融合して本物のようだった」と体験を喜ぶ声が多いという。
ソニーAIロボティクスビジネスグループの江里口真朗チーフビジネスプロデューサーは「初めて一般客を乗せたが、反応がよくエンターテイメントとしての可能性を感じた」と手応えを話した。

SC―1の実用化にはまだ数年かかる見通し。
ヤマハ製のカートを使っていることから、県産カートを開発している沖縄ヤマハ(那覇市)とものづくりネットワーク沖縄(うるま市)と協力すれば、県内生産も可能という。

江里口氏は「開発を続け、沖縄での可能性も模索していく」とした。

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/211091
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