昨年12月に沖縄自動車道で発生した車6台が絡む事故で、はねられて意識不明の重体となった在沖米海兵隊の男性曹長について、
産経新聞が「(横転した車両の)日本人を救助した」などと報じ沖縄2紙を批判した件で、
横転車の男性運転手が2日、弁護士を通じて「米軍関係者の方に救助された記憶はない」とコメントした。

米海兵隊も県警も、救助の事実を確認できていないと本紙に回答している。
産経新聞広報部は同日、本紙に「継続して取材を進めている」と答えた。

男性の代理人としてコメントを発表した天方徹弁護士によると、男性が乗っていた車は追突され、運転席側が下になった状態で横転。
追突車両の日本人運転手が「助手席ドアを開けてくれたので、自力ではい上がって車外に出て路肩に避難し、警察や救急車を要請する電話をかけた」という。

その数分後、米軍関係者が「大丈夫か」と声をかけてきたが、その人が重体となった曹長かどうかは分からないという。
男性は「米軍関係者の方に救助された記憶はない」とした上で、曹長の安否を気遣い、「一日も早い回復をお祈りする」とコメントした。

本紙などが産経新聞の記事について「事実を確認しないまま2紙を批判した可能性が高い」などと報じたことを受け、
男性に複数の報道機関から取材依頼が殺到したため、コメントを発表したという。

産経新聞は「取材に関することにはお答えしていません」とした上で、「必要と判断した場合は記事化します」と回答した。

事故は昨年12月1日、沖縄市知花の自動車道北向け車線で発生。
産経新聞はインターネットの「産経ニュース」で、事故の報道内容をめぐり、沖縄2紙を「日本人として恥だ」と批判。
紙面でも「日本人救った米兵 沖縄2紙は黙殺」との見出しで記事を掲載したが、米海兵隊や県警は本紙の取材に「救助の事実を確認できていない」としている。

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/204458