石油元売り大手コスモエネルギーホールディングス子会社の丸善石油化学(東京都中央区)は2日、合成樹脂の原料となるプロピレンなど化学製品について、取引先との契約で必要だった出荷時の品質検査を行っていなかったと発表した。製品の安全性に問題はないという。
対象製品が出荷された可能性のある取引先は121社に上り、順次説明しているという。
品質検査を行っていなかったのは同社千葉工場(千葉県市原市)と四日市工場(三重県四日市市)が製造したプロピレンやベンゼンなど21品目で、2016年度の出荷量の約3割に相当する。
両工場では、不純物の混入状況など一部検査項目を実施していなかったにもかかわらず、検査結果が記入された書類を取引先に提示していた。
東京都内で記者会見した同社の鍋島勝(なべしままさる)社長は「ご迷惑とご心配をお掛けし、深くおわび申し上げる」と陳謝した。
日本経団連の要請を受け、昨年12月から始めた社内調査で発覚。現時点で法令違反は確認されていないという。
同社は外部弁護士を加えた社内調査委員会を設置し、今年4月をめどに原因究明と再発防止策の策定を行う。【中井正裕】
https://mainichi.jp/articles/20180202/k00/00e/020/334000c