大津をジュネーブに−。湖畔沿いに立地することなどで「共通項」がある大津市をスイスのジュネーブのようなまちにしようと、同市が「ジュネーブ構想」
と称した取り組みを進めている。京都観光のための「宿泊地」として素通りされがちだった大津を観光地として売り出そうという試みだ。市は平成29年度から
関連予算を計上しており、30年度以降、事業を本格化させる方針。ジュネーブ構想とはどんなものなのだろうか。(杉森尚貴)

 ◆世界から人を

 「JR大津駅前の中央大通りを起点に、ジュネーブのような世界から人が集まる場所にしたい」

 大津市の越直美市長はこう述べる。欧州の貴族の避暑地としてにぎわったスイス。ジュネーブ駅からレマン湖に伸びるモン・ブラン通りは、大津の街並み
と似ているというのだ。越市長はスイス訪問経験を踏まえ「自然と歴史豊かな大津の魅力を最大限に活用するイメージとしてぴったりだった」と話す。

 大津市観光振興課によると、市を訪れた平成27年の観光客数は約1241万人と4年間で120万人増。宿泊者数も伸びているが、平成26年度の
観光動態調査によると、日帰り来訪者の平均滞在時間は1日あたり3時間にも満たない。

 大半が京都に観光するための宿泊地として利用し、大津では観光しないケースが多いからだ。

 ジュネーブには、湖に高さ90メートルまで上がる大噴水や中世の古い街並みなどの観光名所がある。スイス大使館(東京)によると、湖水浴施設や
オープンカフェなども立ち並び、にぎわっているという。

 ◆にぎわいの動線

 一方の大津市。大津港には色とりどりに湖を彩る「びわこ花噴水」があり、旧東海道の宿場町として栄えた街並みも残る。湖岸には県立びわ湖ホールや、
テラス席を備えたカフェなどが並ぶ「なぎさのテラス」もあるが、市都市再生課は「ジュネーブと比較すると、それらをつなぐ『にぎやかな通り』がない。
駅から湖までのにぎわいの動線を作らなければ」とする。

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http://www.sankei.com/region/news/180115/rgn1801150034-n1.html