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 中国・上海で今月、生まれてから一度も排便をしたことがない男性が、便がパンパンに詰まった結腸を除去する外科的手術を受けた。取り除かれた結腸の重さは4人分の胎児の合計を上回る13キロだった!

 

 今月8日、上海市第十人民病院で尹路(イン・ルー)外科部長率いる治療チームが、3時間余りに及ぶ手術の末、生まれてから一度も排便したことがない22歳の男性の結腸を取り除くことに成功した。

 

 男性は生まれて以来、ひどい便秘に苦しみ続け、病院を訪れたときの姿は、臨月の妊婦よりも腹が大きく膨れ上がっていたという。患者自身はこれまでも浣腸や下剤などありとあらゆる方法を試してきたが、
肝心の家族があまり問題視していなかったことから、20年以上も放置されたままだったという。

 

 長さ76センチ、重さ13キロのウンチがパンパンに詰まった結腸は、病理検査の結果、腸のぜん動運動をつかさどる神経節細胞が生まれつきない「ヒルシュスプルング病」だと判明した。
日本語で「先天性巨大結腸症」とも言われるこの病気は、5000人に1人の割合でみられ、新生児・乳児期から排便障害があり、慢性の便秘によって、大腸が膨れ上がる症状を起こす。

 

 病気の8割は肛門から直腸に病変があり、遺伝子の変異が原因とされる。お尻から管を入れてガス抜きしたり、腸内の洗浄による一時的な改善法はあるが、
根本的な治療は、神経節細胞が無い部分を切除して、端同士をつなぎ合わせなければならない。

 

 日本では慶応義塾大学病院が腹腔鏡手術を開発し、生後6〜8カ月程度の赤ちゃんの治療を行なっているが、これほどまでに症状が進んだ例は珍しい。 

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