和式トイレを洋式に改修へ 外国人旅行者増に対応

国内各地を訪れる外国人旅行者が増加する一方で、観光地の公衆トイレは和式トイレが多く不評だとして、
観光庁は自治体に工事費用を補助して洋式トイレへの改修を進めていくことになりました。

政府は、東京オリンピック・パラリンピックが開かれる2020年までに、日本を訪れる外国人旅行者を去年の
およそ1.7倍の年間4000万人に増やす目標をかかげています。

観光庁によりますと国内の主な観光地のおよそ4000か所ある公衆トイレのうち、40%ほどが和式トイレで、
なじみのない外国人旅行者などからは困惑の声があがっているということです。

こうしたことから、観光庁は2020年に向けて観光地の公衆トイレをすべて洋式に改修することを目指し、
自治体に対して改修工事の費用の3分の1を補助する事業を進めていくことになりました。

観光庁は洋式トイレへの改修に加えて、新たに設置する場合や温水洗浄の装置をとりつける場合も補助の
対象にするとしています。

国土交通省は、洋式トイレは外国人旅行者だけでなく、足腰の弱い高齢者や和式を使ったことがない子どもなど
幅広い人にとって利用しやすくなるとして、改修を進めていきたいとしています。

■和式トイレに戸惑う外国人

住宅設備メーカーのTOTOが平成26年に外国人600人を対象に行った調査では、83%に当たる500人が
和式より洋式のトイレを好むと答えたということです。

しかし観光庁によりますと、国内の主な観光地のおよそ4000か所ある公衆トイレのうち、40%ほどが
和式トイレだということです。

このうち東京有数の観光地、浅草にある公衆トイレは、女性用は5つのうち2つが、男性用は2つのうち
1つが和式トイレです。

トイレを管理する台東区は、多くの外国人観光客がこのトイレを利用することから、今後、和式トイレを
洋式に改修することを検討しているということです。

和式トイレを見たアメリカ人の女性は「和式トイレは使ったことがありません。しゃがんだら起き上がれるか
が心配です」と話していました。また、アルゼンチンから訪れた女性は「初めて和式トイレを見ました。
奇妙でどう使うのかわからなくて困ります。洋式のほうが好ましいです」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180104/k10011278971000.html