外国人客、青森県へ続々 アクセス向上など奏功
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25157360X21C17A2L01000/
東北地方の各県別外国人のべ宿泊者数
https://www.nikkei.com/content/pic/20171228/96958A9F889DE0E7E3E7E5E1E4E2E0E5E3E0E0E2E3E59EE2E3E2E2E2-DSXMZO2516537027122017L01001-PB1-2.jpg

東北地方の訪日外国人(インバウンド)観光で青森県が快走している。
観光庁が27日発表した宿泊旅行統計によると、2017年1〜10月の同県の
外国人延べ宿泊者数は東北トップを維持。
年間でも初めて東北一となる可能性が高まってきた。
函館市など道南地域を合わせた「青函圏」を官民一体で海外に売り込み、
空路新設などアクセス向上にもつなげた取り組みが奏功した形だ。

17年1〜10月の東北6県でトップの青森は19万6千人で、宮城(18万5千人)、
岩手(14万9千人)と続く。東日本大震災の前年の10年は
青森は東北で5位だったが、徐々に順位を上げ、
17年1〜8月に初めて僅差でトップに立った。
1〜10月は2位の宮城に1万1千人の差をつけた。

青森県は北海道新幹線開業をにらみ、空路と新幹線、フェリーの
青森―函館航路を最大限活用して交流人口を増やす「立体観光」戦略を推進。
中国、台湾、香港、韓国の4カ国・地域を海外誘客重点エリアに位置づけ、
三村申吾知事らが毎年トップセールスしたり、現地の旅行会社や影響力のある
ブロガーらを県内視察ツアーに招請したりしてきた。

空路では、青森空港初の中国定期便となる中国・奥凱航空の青森―天津線が
5月に就航。大韓航空は高い搭乗率を受け、週3往復だった青森―ソウル線を
10月から週5往復に増便するなど、海外とのアクセスの利便性が一段と高まった。
客船誘致も早くから力を入れ、17年に青森港に寄港した大型クルーズ客船は
22隻と東北トップ。19年には英国の豪華客船「クイーン・エリザベス」が
青森港に初寄港する予定だ。