29人死亡韓国ビル火災、責任めぐり韓国与野党が攻防
大統領府「大統領涙ぐんだ」、野党「泣くのが大統領の仕事か?」

 韓国中部・忠清北道堤川市のスポーツセンターが入っている商業ビルで火災が発生、29人が死亡した事故をめぐり、与野党が政治的攻防を繰り広げている。大統領府は文在寅(ムン・ジェイン)大統領が火災現場を視察した際、
「遺族の怒りの声を聞くことこそ大統領の仕事だと涙ぐんだ」と語ったというエピソードを23日、公表した。すると野党は「泣くのが大統領の仕事なのか。(貨客船)セウォル号沈没事故を利用して政権を取った勢力なのに、セウォル号の時よりまずい対応で死傷者を増やした」と非難した。
そして、双方が互いの対応をめぐりさらに言葉尻を捕らえて責めるなど攻防を繰り広げている。大きな災害が起こるたび、建設的な対策について話し合うのではなく、政治的に利用しようとする姿勢がうかがえる。

 大統領府の朴洙賢(パク・スヒョン)報道官は23日、公式フェイスブックに、「前日に火災現場を訪れた文在寅大統領は『ご遺族からの怒りの声を聞いて差し上げることこそ、大統領が今すべきことだ』とおっしゃって、帰京する車内でまた涙ぐまれた」と書き込んだ。
文在寅大統領が葬儀場を訪れた際、一部の遺族は大統領に「セウォル号事件以降、何が変わったと言うんだ」と激高するなどした。朴洙賢報道官は「大統領の息遣いは涙ぐんでいるようだった。いや、文大統領は明らかに泣いていらっしゃった」「国民のために涙する大統領!
 国民の怒りの声も聞かなければならないという大統領! 国民一人一人にひれ伏す大統領!」と書いた。

パク・スチャン記者 , 朴国熙(パク・ククヒ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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