兵庫県と東北3県の各県勤労者山岳連盟が合同で六甲山頂付近(神戸市東灘区)に設置した阪神・淡路大震災、東日本大震災の鎮魂を願う木柱が、ペンキのようなもので黒く塗りつぶされていたことが24日、関係者への取材で分かった。
柱に記された「鎮魂」「復興祈願」などの文字は判読不能になった。
兵庫県の連盟は6月、東灘署に被害届を出しており、同署が器物損壊容疑で捜査している。

兵庫県勤労者山岳連盟は2011年の東日本大震災後、数回にわたって岩手、宮城、福島の3県でボランティア活動に取り組み、現地の連盟と親交を深めた。
友好の証しの意味も込め、阪神・淡路の被災地である神戸に合同の「鎮魂碑」設置を計画。昨年3月、国の設置許可を得て、六甲山頂付近に木柱を建てた。

木柱は太さが9センチ四方、高さ1・3メートル。四面に「阪神淡路・東日本大震災鎮魂・復興祈願」や建立日、連盟名などを記した。
設置直後、六甲山系の山々を歩く「六甲全山縦走大会」に東北3県の約30人を招き、お披露目したという。

ところが今年初夏、柱の全面が真っ黒に塗りつぶされていることが判明。同連盟の関係者が登山者らから聞き取った結果、5月1〜20日ごろに塗られた可能性が高いという。
同連盟の村上悦朗副会長(81)=神戸市灘区=は「なぜこんなひどいことをするのか。目撃情報などを寄せてほしい」と憤る。繰り返される恐れがあるため、木柱は今もそのままにしているという。

神戸では22日にも、阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼する東遊園地(中央区)の「慰霊と復興のモニュメント」に落書きされているのが見つかり、生田署が器物損壊容疑で調べている。(上杉順子、杉山雅崇)

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以前の状態
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