「量子」とは、物理量の最小単位である。
光の正体と言われる「光子」等の素粒子が構成する量子の世界では、
我々の常識から考えるとめちゃくちゃなことが起きる。

例えば、状態が瞬間移動するような「量子テレポーテーション」や、
物体をすり抜けるような「トンネル効果」という現象が有名だ。
そしてさらに、最近の研究ではなんと、
時間の壁さえも越えてしまうことが示唆されているのだ。

先頃、物理学の専門誌「フィジカル・レビュー・レターズ」に掲載された研究によると、
量子の世界では時間の流れが一方通行ではなく、
過去から未来、未来から過去へと流れるという。
言い換えれば、未来の事柄が、過去に影響を与えているということになる。
これを我々の世界に当てはめると、
現在の自分の行動は、未来の自分の決断に影響を受けているということだ。

量子の世界では時間が過去と未来の両方向に流れている

今回の実験結果は、遡測が過去の状態について、
より正確な予測を立てられることを示したとともに、
量子が過去からだけでなく未来からも情報を取り入れることをほのめかしている。
それは同時に、量子の世界では時間が過去と未来の
両方向に流れているということを意味する。

マーチ教授は、
「我々の世界において、なぜ時間が単方向にしか進まず、
複雑性が常に増すのかわかっていません。
しかし、このことについて、たくさんの科学者が研究を続けており、
近いうちに解決すると思います」
と、研究を続ける意欲を示している。

画像 ケーター・マーチ教授
https://i.imgur.com/HTA3KtR.jpg

http://tocana.jp/i/2015/03/post_6081_entry_2.html