早川書房が「ネット発の官能小説」を書籍化したワケ (1/3)
http://www.itmedia.co.jp/business/spv/1712/12/news052.html
早川書房が12月に刊行した『JKハルは異世界で娼婦になった』。
ネット発、異世界転生、官能小説という一風変わった小説だ。なぜあの早川書房が『JKハル』を書籍化したのか? 直撃した。
クールな面持ちの制服少女が、こちらに視線を投げている。ピンクと黒を基調にした表紙に書いてあるタイトルは『JKハルは異世界で娼婦になった』。帯には「『女子高生ハル』が生き抜く手段は『春を売ること』だけだった」とある。あの早川書房が12月に刊行した小説だ。
早川書房といえば、ミステリやSF小説、ノンフィクションを数多く出版している老舗。しかし本書は一風変わっている。
書いたのは北海道在住の男性。小説投稿プラットフォーム「小説家になろう」の派生サイト「ムーンライトノベルズ」で連載された、異世界転生ものの官能小説なのだ。
「えっ、ネット発? 異世界転生? しかも官能小説?」と頭の上にハテナマークがたくさん浮かぶ方も多いのでは。
『JKハル』は2016年10〜12月にかけて「ムーンライトノベルズ」で連載。固定読者から支持されていたが、17年8月に突如Twitterで大きく盛り上がり“発見”された。書籍化への期待が寄せられる中、11月に早川書房での書籍化が発表。「まさかハヤカワで……」と多くの読者が驚いた。
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『JKハル』は、現代を生きていた女の子が、突然異世界に転生してしまう物語。その世界はひどい男尊女卑思想に染まっていて、主人公は生きていくために娼婦になることを選ぶ。
とはいえ、悲壮な感じはありません。異世界転生の世界で、軽やかに強く生き抜く女の子が描かれているんですよね。
出だしが〈あたしがこっちの世界に来てまず一番ウケたのは避妊具が草ってことで、「やべ、草生える」って爆笑したら、「生えませんよ」とマダムは真顔で言った〉と軽妙な書き方。 それでいて展開には深みもあり、爽快感もあり、フェミニズム的要素もあります。
http://image.itmedia.co.jp/business/articles/1712/12/ma_jk01.jpg