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新しいナボコフと遊ぼう ロシア語原典を初邦訳
2017年11月22日

ナボコフと移民文学について語る作家の多和田葉子さん(右)とスラブ文学者の沼野充義さん

 20世紀を代表する作家の一人ウラジーミル・ナボコフ。代表作『ロリータ』のエロチックな印象が強いが、英露仏語を操り言葉の魔術師と言われる。没後40年の今年、ロシア語原典からの初邦訳を含む「ナボコフ・コレクション」全5巻(新潮社)の刊行が始まり、
晩年の長編『アーダ』(早川書房)も40年ぶりに新訳が出た。初期はロシア語、後に英語で創作したナボコフ。「世界文学」の先駆者の姿が、より鮮明になると期待される。

 ナボコフは1899年、ロシア生まれ。貴族の家系で、革命により家族で亡命。1940年、米国に移住後は英語で創作をした。58年『ロリータ』の成功で人気作家に。これを機に、初期のロシア語作品も英訳され米国で出版された。日本ではこれまで主に英語版から翻訳されてきた。

http://book.asahi.com/booknews/update/2017112400002.html