「工作船?違う?」言い切れぬ海保 漂着船、以前から

小さな木造船が相次いで日本海の沿岸に漂着している。多くは日本側の漁場で不法操業する北朝鮮の漁船とみられる。
遺体が流れ着くこともあり、沿岸の住民は不安がる。いったい何が起きているのか。

 北海道松前町沖にある島に船が漂着している――。28日午後、海上保安庁に通報があった。関係者によると、
生存者が複数いるとの情報があり、同庁が巡視船を向かわせたが、悪天候に阻まれ確認には至っていないという。

 秋田県由利本荘市の沿岸では同日、県警のダイバーが木片を見つけた。23日に漂着し、その後壊れて姿を消した木造船の船尾の一部とみられる。

 木造船は全長約20メートル。夜間に魚をおびき寄せるランプがついていた。
 乗っていた8人は保護され、県警の聴取に「1カ月半ほど前にイカ漁のため北朝鮮を出て、船が故障した。帰りたい」と話した。
遭難者と確認されれば、法務省入国管理局が「遭難上陸」の手続きをとり、中国などの第三国を経由して帰国させる見通しだ。
秋田では男鹿市でも26日、海水浴場に全長約7メートルの木造船が漂着して8人の遺体が見つかった。市が火葬を予定しているという。

 海上保安庁が今年確認した漂着事案は、10月までは毎月2〜5件だったが、11月は28日時点で少なくとも26件まで増えている。

 新潟県佐渡市では25日、木造船とみられる多数の木片と一部白骨化した男性の遺体を発見した。
青森県でも26、27日に沖を漂流する木造船が1隻ずつ確認され、このうち1隻の船内には釣り針や靴下、食器などが残されていた。

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