2017/11/25 08:58STANDBY52

車、酒、テレビ、新聞、雑誌……これまで数多くの「若者の○○離れ」が発表されてきた。その最新版は「若者の外出離れ」。しかし多くの人は、その分析に納得がいっていないようだ。

若者の消費時間や消費金額が減ったというデータを報じるニュースで必ず使われる「若者の○○離れ」。なかには、かなり怪しげなデータをもとに「○○離れ」を説くものもあるが、今回の外出離れは国土交通省の調査に基づくもの。

同省が2015年に行った全国都市交通特性調査によれば、20代の若者の移動回数は、高齢者(70代)の移動回数を下回るまで減少しており、特に休日の男性の移動回数減少が顕著とのこと。1987年に比べ、47%も減っているという。

国交省は、若者の外出状況を解説する章で、若者の免許保有率が低下しているというデータと、インターネットの普及率やスマートフォンの世帯保有率、宅配便の取扱個数が上昇しているデータを提示しており、外出回数の低下は、それらと関連があると考えているようだ。しかしTwitterを見ると、

“外出するにはお金かかるんだよ、知らないと思うけど”
“ネットの普及?クルマ離れ?? はぁ??単純だよ 金が無いんだよ簡単だよ金が無いんだよ 車も選択肢に入るはずがない”
“外出離れって、レジャー代一番最初に削るの当たり前じゃんね。貧乏なんだよ一般庶民は”

など、「出かけたくてもお金がない」という意見が圧倒的に多く、

“休みくらい家で休ませて〜!”
“ただでさえ貴重な休みなんだから体を休ませるのに使わせろよ。家でゴロゴロしながら本読んでるのが、もうすでに贅沢なんだよ・・・”
“安い賃金で長時間労働させられてりゃそりゃそうなるわ”

と、労働環境との関連を指摘する声も次々と登場。

“だから経済衰退するんだよ…… 積極的に外出しようよ まじで”
“これ外出離れにもなると運動不足に繋がるのでは?”

といった具合に分析結果をまじめに危惧するコメントはごく少数。意図的かどうかは不明だが、国交省が若者の経済事情に言及しなかったことで、調査の意義は霞んでしまったようだ。
(金子則男)http://www.standby-media.jp/case-file/172276