https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171124-00533279-shincho-kr

“取り立て”も実施中だが……

 北朝鮮が日本から借金した約56億円と、その利子である約30億円が、実質的に全く返済されていないのを、ご存じだろうか。

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 話は1995年に遡る。北朝鮮の食糧危機が深刻化し、当時の村山富市内閣がコメ支援を閣議決定。すったもんだの交渉を経て、何とか日朝間で契約書に署名、無償15万トンと有償35万トンのコメを送った。このうち有償分が約56億円というわけだ。

 では当時、どんな返済計画を結んだのか、農林水産省の政策統括官に訊いた。

「約56億円を30年で償還することを約しました。最初の10年間は元本据え置きで利子だけ、11年目からは元本と利子の支払いで完済となります。現在の利率は3%です」

 当時の報道などを見ると、最初の10年間は年利2%、11年目から3%という利率だったようだ。世は移り変わってマイナス金利の時代となり、利率の評価は難しくなった。とはいえ、借りたものは返してもらわないと困る。にもかかわらず北朝鮮が返済したのは、翌96年の約8400万円分のみ。おまけに1500円足りなかったというから、デタラメ極まりない。

「それ以降、現在まで支払は一度も行われていません。督促の内容については公表していませんが、きちんと行っております。そのため、時効を迎えるようなことはありません」(同・農林水産省政策統括官)
督促状の内容

 ちなみに督促の詳しい内容は、「週刊新潮」(05年7月21日号)が「『督促100回』でも北朝鮮が踏み倒している『有償コメ支援』12億円」で紹介している。

《〈朝鮮国際貿易促進委員会書記長殿
 平成7年、当時の食糧庁と契約したものの内、請求した利息を頂戴していない。早急に払って頂くようお願いいたします〉

 そういった内容が記されたA4の紙1枚の文書は、農水省が北朝鮮の政府機関に送りつけた督促状だ。農水省は同様の文書を平成9年から送り続け、この7月15日でちょうど100通目になるのだという》