ホンダの系列サプライヤーはなぜ強い

 ホンダ系サプライヤーの収益性に立ち直りの兆しが見えてきた。ホンダの八郷隆弘社長は2015年の就任以降、
先行開発段階からサプライヤーを巻き込む開発スタイルに設計プロセスを変えた。機能部品やシステム部品に関しては、
巨大サプライヤー化が進むことに変わりはない。しかし、サプライヤーとホンダのコミュニケーションは著しく改善し、
この協業が開発・コスト効率とホンダらしさの両立に結び付いている。

 ホンダへの供給が多い部品メーカー11社の2018年3月期連結決算見通しは、8社が売上高を上方修正した。
ホンダの中国における4輪事業が好調なことを受け、各社とも中国などアジア市場を中心に受注が増えるほか、
円安効果もプラスに働くとみている。4―9月期は同様の理由で、全社が増収を達成した。上方修正した8社は、
この状況が下期も続くとみている。

 売上高がさらに増えると見込んだ8社のうち、テイ・エステック、ケーヒン、ショーワ、八千代工業、エフテック、
武蔵精密工業、エフ・シー・シーの7社が営業利益の予想も引き上げた。中国を中心としたアジア地区の好調に
起因する増収効果が働くとみている。ほかにも、ショーワは前期に引き当てたガススプリングの製品保証引当金が減少し、
各利益項目が黒字転換。八千代工業は、前期が熊本地震の影響で落ち込んだ自動車組み立てや2輪部品の受注が増え、
この状況が下期も続くとみている。

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