三菱電機は26日、今春で石油ファンヒーターの製造・販売から撤退したことを
明らかにした。同社は78年に世界初の石油ファンヒーターを商品化した「生みの親」。
しかし近年は機能が向上したエアコンやガス式の床暖房に押され、市場全体が縮小。
低価格化も進み、採算が回復するメドはないと判断し、撤退を決めた。

 日本ガス石油機器工業会によると、石油ファンヒーターの国内販売実績は00年度の
403万台がピーク。それ以後は「灯油を入れるのが面倒」などの理由で、電気やガスを
使う暖房器具の普及が進み、04年度実績は約330万〜340万台に落ち込んだもようだ。
日立製作所、松下電器産業も同事業から今春で撤退し、大手電機メーカーで生産を
続けるのはシャープだけになった。

 三菱電機は、世界初の石油ファンヒーター「暖ファン」を78年発売。「すぐに部屋が
暖まる」などの利点でヒットした。その後も灯油のにおいを抑える消臭機能付きの
製品開発に取り組んだが、ここ数年、事業は赤字。白物家電事業全体の赤字体質から
脱却するため、今後成長が見込まれるヒートポンプ式の電気給湯器(エコキュート)に
経営資源を振り向けることにした。【上田宏明】


引用元:毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050527k0000m020154000c.html