安倍首相の「強権政治」を問う衆院選が始まった。
モリカケ隠しで野党の虚を突いた突然の選挙は、首相側が有利と言われるが、案外そのずるさに気づいた有権者の反乱で意外な結果が出るかもしれない

▼八重山は自衛隊の石垣配備に反対の仲里利信氏と賛成の西銘恒三郎氏の得票に注目が集まる。
同問題の行方を決定づける来春の石垣市長選の前哨戦にもなるからだ

▼2010年3月の中山市政誕生後、県内有数の保守地盤になった石垣市だが、それが近年は安倍政権に似た強権的な自衛隊推進もあって地殻変動が起き、革新が巻き返してきた

▼それは昨年の県議選、参院選で表れ、1万4000筆余を集めた今年9月の自衛隊反対署名で顕著になった

▼中山市長が新人で挑んだ初の市長選は1万6421票、2回目は1万5903票を集めて4000〜5000票差で大勝したが、その数字に迫る反対署名は強固な保守地盤の揺らぎを示すものだ。
しかも過去2回は多選と女性問題で逆風が吹いた同じ候補が相手だった

▼今回3期目を目指す中山市長は、当時とは逆に新人候補から追及される立場だ。当然逆風もあり得る。
前回衆院選は、今回も辺野古変節の政治姿勢が問われる西銘氏が石垣市は9010票で強みをみせたが、新人の仲里氏も8255票と大健闘だった。(上地義男)

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