Tシャツ問題被害者「命の危険感じた」 消えぬ憤り

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171013-00021160-kana-l14

「命の危険を感じた」。昨年、茅ケ崎海岸での大会に参加し、配布されたTシャツをもらった藤沢市に住む会社経営の男性(45)は数日間、肌が焼けるような痛みに苦しんだ。

 競技が始まる前にTシャツを素肌の上に着たが、異変に気付いたのはレースを終えた後。「やけに肌がぬるぬるするなと思っていたら、異常にかゆくておかしいな」と感じたという。

 着用していたのは2時間ほど。直射日光を浴びると「熱くて火だるまのようだった」と振り返る。3日間ほどは横になれず、仕事も休まざるを得なかった。

 大会主催者はTシャツの配布は中止したものの、最終日の翌日も大会を続行した。「重傷者が多数いたにもかかわらず、事態を軽く考えた。結果、被害者救済や原因究明は遅れた」。男性の気は晴れないままだ。

 「まさかTシャツを着て大やけどを負うなんて、考えもしなかった」。茅ケ崎市の女性会社員(46)も被害に遭った一人。市内の病院には数十人が同じ症状で診察を受けていた。
翌日、別の病院で「化学熱傷によるやけど」と診断され、1カ月間ほど入浴できなかったという。

 被害を引き起こしたとみられる薬剤の販売元などと合同の相談窓口を設けている大会主催者は「大変申し訳なく反省している」と改めて陳謝する。 今年も今月14、15日に茅ケ崎海岸で大会を開催、Tシャツの配布も予定しているが「業者にテストしてもらい、主催者も実際に着てみて安全を確認した」と話した。

 今年9月、補償手続きの書類を受け取った藤沢市の男性会社員(54)は言う。「大会の運営は信頼の上で成り立っている。今後このようなことが起きないよう製作に携わった会社は法的な罰則を受けてほしい」