【ベルリン=共同】ポーランドのワシチコフスキ外相は四日、第二次大戦のナチス・ドイツの侵攻による
被害が一兆ドル(約百十兆円)を超えるとの見方を示し「一九三九年の侵攻が両国関係に影を
落としていることについて、ドイツと真剣に話し合う必要がある」と述べた。ポーランドのラジオに語った。

 ドイツはメディアや司法の統制を強めるポーランドの強権的な政策を批判しており、ワシチコフスキ氏の
発言にはドイツをけん制する狙いがあるとみられる。

 ワシチコフスキ氏は「ポーランドが破壊され、ひどい犯罪行為があり、補償が支払われていないのは
事実だ」とした上で、賠償請求に関して準備をしていると説明。「第二次大戦の被害者が亡くなりつつあり、
急がねばならない」と述べた。ドイツのメディアによると、ドイツ側は、ポーランドが戦後に賠償請求を
放棄したため請求権は既に消滅したとの立場。ポーランドが実際に賠償請求すれば、
両国の対立に発展する恐れがある。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201709/CK2017090502000243.html