ベトナム国民はベトナム戦争時の韓国軍による民間人虐殺をめぐり、戦争終結から40年以上経った今も韓国に対して複雑な感情を抱き続けている。
そのようななか、韓国大統領の発言がベトナム国民の怒りを買った。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は先月の戦没者追悼記念日の演説の中で、
「今日の韓国経済があるのはベトナムで戦った元軍人たちの献身と犠牲があってのことです」(ハンギョレ紙)とし、退役軍人らを讃えた。
9000人とも言われるベトナム民間人の虐殺行為への賛辞とも取ることができるこの発言に対し、ベトナム側は猛反発した。

◆大虐殺の過去 ベトナム戦争での韓国軍の戦法が遺恨を残す
 ベトナム国民の嫌韓感情は、ベトナム戦争に端を発する。
ニューヨーク・タイムズ紙は7月10日付の社説でこれまでの経緯を詳しく取り上げている。
ベトナム戦争中、アメリカ軍が対ゲリラで苦戦したことから、当時のジョンソン大統領は韓国軍を派遣する方針を打ち出した。
一方、韓国側にも参戦の動機はあった。
韓国と北朝鮮の国境付近に駐留していたアメリカ軍がベトナム側に振り分けられ、38度線付近の警戒が手薄になることを韓国側が恐れたと同紙は分析する。

 こうしてベトナムに軍を派兵した韓国だが、ゲリラ掃討のためのサーチ・アンド・デストロイ作戦を展開し、ベトナムの一般市民を巻き込んだ大虐殺を繰り広げる。
ベトナムのVNエクスプレス紙によると、30万以上の韓国兵士がベトナムに派遣され、9000人の市民が殺害されたとのことだ。
ニューヨーク・タイムズ紙も1968年2月のハミ村での135人の虐殺の代表例を挙げている。





韓国とベトナムの間でくすぶり続ける歴史問題 韓国大統領発言めぐりソウルでデモも
http://newsphere.jp/world-report/20170713-4/