文部科学省の前川前事務次官が、天下り問題を受けて辞任を決意し、ことしの1月5日に
松野文部科学大臣に辞任の意向を伝えたと主張していることについて、松野大臣は11日、
そうした記憶はないと説明しました。

文部科学省の前川前事務次官は、みずからが天下り問題を受けて辞任した経緯をめぐり、
先に菅官房長官が「恋々と地位にしがみついていた」などと述べことについて、国会の
閉会中審査で、「事実に反する」としたうえで、ことし1月4日に引責辞任を決意し、
翌5日には松野文部科学大臣に辞任の意向を伝えたと主張しました。

これについて松野大臣は11日の閣議のあとの記者会見で、前川氏が辞任の意向を伝えたと
主張している1月5日は、京都市を訪れ、当時事務次官だった前川氏を含む複数の職員と
一緒に文化庁の移転先を視察し、込み入った話を聞ける状況ではなかったとして、
辞任の意向を聞いた記憶はないと説明しました。そして松野大臣は、1月中旬までの間に
前川氏本人から意向を聞いたと説明しました。

また松野大臣は、天下り問題の調査が進んでいた1月上旬に、文部科学省の担当者が、
前川氏の違反が認定された場合でも、前川氏の定年延長が可能か総理大臣官邸側に
問い合わせたことがあるとしたうえで、前川氏から松野大臣には延長の申し出はなかったことを
明らかにしました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170711/k10011054121000.html