小学生の女の子が興味津々で私の一眼レフカメラを見ている。
手渡してシャッターの切り方を教えたら、そのまま駆け出して撮影に行ってしまった。イベント会場でのこと
▼5分ほどで返してくれたので撮影画像を見てみると、とびっきりの笑顔をした大人がたくさん写っていた。
おじさんには絶対撮れない。写真には被写体だけでなく、撮る側との関係も写る
▼最近増えてきた小型無人機ドローンは少し違う。
機体は見えても操縦者がどこにいるか分からない。撮る側だけが見ている、一方的な関係
▼ヘリより低空で、見たこともない角度から撮れる。
本部町のカツオのぼりの写真は迫力があった。米軍基地のフェンスも悠々と越える。
辺野古や高江の基地建設現場で、ベールをはぐ武器にもなっている
▼首相官邸の屋上に落ちたりして、国は安全面の規制を強化している。
過渡期だからこそ、撮る側の姿勢も整理する必要があると思う。風景や事故現場なら良いか。
県民大会のガンバロー三唱は、式典で黙とうしている人々は、どうか
▼昔の人は魂を抜かれると言って嫌がった。写真はイメージを奪い去る暴力を秘めている。
だからせめて撮る側も身をさらす。
便利なズームレンズに頼らず寄っていく。「足ズーム」という言葉がある。
ドローンとは対極の泥臭さも、忘れずにいたい。(阿部岳)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/98511