米大リーグ、ドジャースにフリーエージェント(FA)移籍した大谷翔平(29)が12月14日(日本時間同15日)にロサンゼルスのドジャースタジアムで入団記者会見に臨んだ。プロスポーツ史上最高額の7億ドル(約1015億円)で10年契約を結んだ二刀流をお披露目する歴史的な一日。メディアは北米以外に中南米、韓国、台湾から約300人が集結し、まさに全世界の注目の的と言っても過言ではなかった。

 しかも、大谷の記者との質疑応答はエンゼルスで2年連続の「10勝、10本塁打」を達成した8月9日の試合後以来、約4ヵ月ぶりだった。その間に右肘手術、アジア人初のホームラン王にMVPの獲得、ベールに包まれていたFA交渉……。質問をぶつけようと手ぐすね引く記者たちに対し、ドジャース球団は周到に準備していたようだ。

〜中略〜

 司会者が挙手した記者を当てる形で、地元紙ロサンゼルス・タイムズの記者がいの一番でドジャース移籍の決め手を聞いた。中盤、FOXチャンネルの記者が11月のMVP受賞時に話題を呼んだ愛犬のことを尋ねた。

 革新的な契約となった総額の97%分の「後払い」についてはジ・アスレチックの記者が問いただした。大谷の答えは明快だった。「自分が受け取る金額を我慢して、ペイロール(球団の総年俸)に柔軟性を持たせられるのであれば僕は全然、後払いでいいです、というのが始まりです」

 一方で後払いが判明した直後から一部で批判されていた、ぜいたく税回避のための「抜け道」の指摘を巡る質問は出なかった。巨額の後払いはルール違反ではないとはいえ、MLB各球団の戦力均衡を目指したぜいたく税という制度を、骨抜きにした側面があることも確かなのだが……。
辛辣な記者は質疑から除外? 

 会見に出席した日本メディアの記者はこう振り返る。

「質疑応答はアメリカ人の記者が先、日本人はその後で、これはメジャー取材ではよくある順番でした。(日米の)どの記者も全員が質問できないことは分かっていても、当ててもらおうと懸命に手を挙げていました」

 結局、会見は30分余りで終了。日米でトータル14人の記者にしか質問の機会は与えられなかった。

 会見後、同記者は同じく質問できなかったアメリカ人記者とある不審点を共有したという。「司会者は普段から辛辣な質問をする記者たちには当てず、質問させないことを決めていたのではないか?」

 ジャニーズ性加害問題での会見で、質問NGの「ブラックリスト」の存在が物議を醸したことは記憶に新しい。

「大谷の会見でドジャースがリスト化していたとは思いませんが、場の空気を壊さないよう司会者が質問者をコントロールしていたようには感じました。会見直前に(スポーツ・イラストレイテッド誌の独占インタビューで)代理人(ネズ・バレロ氏)は、後払いが大谷たっての希望で自らの金銭よりチームの勝利を優先した契約であると明らかにしていました。美談の側面を強調し、ドジャースが抜け道を探ったとの批判をかわす流れをつくっているようにも読み取れました。ドジャースは人気球団で、情報操作はお手の物。ハリウッド俳優のマネジメントも行う代理人事務所とタッグを組むわけですから今後の大谷取材は、さらに難しいものになるだろうなと思いました」(前出の記者)

※続きは以下ソースをご確認下さい

12/20(水) 16:55
デイリー新潮

https://news.yahoo.co.jp/articles/9cade0a5bd8e7525405d957ba0ff28b4802b56f0?page=3