2023/09/27 04:00

ジャニーズ事務所の東山紀之社長(56)が年内でタレント活動を引退することを受け、NHK BSプレミアムの時代劇「大岡越前」シリーズの主演を俳優、高橋克典(58)が引き継ぐことが26日、分かった。12月放送のスペシャル版は東山が出演。来年4月から克典にバトンタッチする。東山は今月5日付で社長就任後、テレビ朝日系「サンデーLIVE!!」などレギュラー仕事を降板。後任が判明したケースは初となった。

半世紀にわたり時代劇ファンに愛され続ける名作シリーズの危機に、克典が立ち上がった。

「大岡越前」は俳優、加藤剛さん(2018年死去)主演で1970~99年に計402回放送されたTBS系ドラマが有名。2013年から放送局をNHK BSプレミアムに移し、東山主演で14年ぶりに復活した。

主人公は人情味のある大岡裁きで知られる江戸南町奉行、大岡忠相。東山は過去に「多くの問題を抱える現代だからこそ、時代劇ならではのストレートな正義のお裁きを表現したい」と熱く語り、〝先代〟の加藤さん死去後は「遺された者の使命として頑張ってまいります」と誓い、今年まで10年間演じてきた。

だが現在、ジャニーズ事務所はジャニー喜多川元社長(19年死去)の性加害により、スポンサー離れが加速するなど窮地に立たされ、皮肉にも社会的な〝裁き〟を受けている側に。東山は再建のため社長就任とタレント引退を決意。人気シリーズの後継者として、克典に白羽の矢が立った。

克典は代表作のTBS系「サラリーマン金太郎」(1999~2004年)、テレ朝系「特命係長 只野仁」(03~12年)をはじめ、確かな演技力で第一線を走り続ける名優。NHK関係者によると、「同世代で重厚な演技をできるのは高橋克典さんしかいない」とオファーしたという。

今年3月末に終了したNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」でヒロインの父を演じ、18年に主演した「不惑のスクラム」、20年の大河初出演作「麒麟がくる」といった俳優業のほか、情報・ドキュメンタリー番組「仕事ハッケン伝」でナレーションを務めるなど、同局での実績も起用の決め手に。男気で今回の依頼を引き受けた。

東山の大岡忠相は12月の「大岡越前スペシャル」で見納め。来年4月にシリーズ7作目が放送されるとみられ、克典が〝3代目〟に就任。勝村政信(60)ら主要キャストは続投する見通しだ。

★テレ朝は対応決まらず…「サンデー」後任は局アナ

東山社長は他にもテレビ朝日系で放送されている「刑事7人」「必殺仕事人」の人気ドラマシリーズに主演。この日行われた同局の定例会見で、両作の今後について問われた編成幹部は「現段階ではどう対応するか決まっていない」と説明。東山が降板した同局系「サンデーLIVE!!」の後任については「10月1日から局のアナウンサーが担当する」と明かした。東山は社長就任を機に同番組とTBS系「バース・デイ」を降板。10月8日に開幕する舞台「チョコレートドーナツ」、12月のディナーショーを最後に引退する。

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