プレミアリーグ第38節(最終節)が28日に各地で行われた。

 前節終了時点でサウサンプトンの最下位フィニッシュは決定していたものの、残る降格枠の2つを埋めるクラブは未だ決定していない。同時開催となった最終節で19位リーズ、18位レスター、17位エヴァートンが残留を信じて最終節に臨むこととなった。

 開始早々に均衡が破れたのは19位リーズと8位トッテナムのゲーム。2分、ペドロ・ポーロが右サイドから中央へ絞って浮き球パスを引き出すと、マイナスへの落としを受けたソン・フンミンが相手を引き付けて横へ流す。最後はフリーで待っていたハリー・ケインが右足で仕留め、トッテナムが先手を取った。

 18位のレスターは14位のウェストハムをホームに迎えた。試合が動いたのは34分、左サイド開いた位置でボールを引き出したハーヴェイ・バーンズが中央へ預けると、ケレチ・イヘアナチョとのワンツーからボックス左に侵入。そのまま右足でゴールネットを揺らし、レスターに待望の先制点をもたらした。

 17位エヴァートンと15位ボーンマスの一戦はスコアレスドローのまま前半が終了。45分間を終えた段階の順位表ではレスターとエヴァートンが勝ち点「34」で並んでいるものの、得失点差でレスターが残留圏内の17位に浮上。エヴァートン、リーズは後半に勝利を目指すことで残留を目指す。

 後半に入ると再びリーズvsトッテナムの一戦に動きが。トッテナムは敵陣中央で前を向いたケインがスルーパスを通すと、抜け出したポーロが右足フィニッシュを叩き込む。逆転でのヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)行きのために勝利が欲しいトッテナムがリードを広げた一方、残留のためには勝利が絶対条件のリーズにとっては絶望的な状況となってしまった。

 3クラブの中で最も残留に近いエヴァートンも後半に入ると遂に試合の均衡を破る。57分、ペナルティエリア手前の位置でルーズボールに反応したアブドゥライエ・ドゥクレが右足一閃。地を這うようなミドルシュートをゴールに突き刺した。勝てば他会場の結果を問わず残留を決められるエヴァートンが、残留争いで一歩前に出た。

 勝利を飾った上でエヴァートンが引き分け以下で終われば状況が変化するレスターは62分、ユーリ・ティーレマンスの蹴ったフリーキックからヴァウト・ファースがヘディングシュートを叩き込む。レスターが勝利を大きく手繰り寄せる追加点を決め、他会場の結果に動きがあった際の準備を整えた。

 残留が絶望的な状況となってしまったリーズは67分、ジョルジニオ・リュテールのパスからジャック・ハリソンが右足シュートを決めて1点を返す。それでも直後の69分にはカウンターからケインにこの日2点目を許し、再びリードを広げられた。

 レスターは79分にパブロ・フォルナルスにゴールを決められたものの、2−1でプレミアリーグ6試合ぶりの白星を記録した。他方、リーズはトッテナムに1−4で敗北。今季限りでのトッテナム退団が決まっているルーカス・モウラが後半アディショナルタイムに“置き土産”となるゴールを挙げた。アディショナルタイムが10分と非常に長く設定されたエヴァートンとボーンマスの一戦は、ドゥクレの先制ゴールを守り切る形でエヴァートンが1−0で勝利。GKジョーダン・ピックフォードを中心とした守備陣が集中力を切らさず、失点を許さなかった。この結果、残っていた残留の1枠をエヴァートンが勝ち獲っている。言い換えると、20位サウサンプトンに続き、今季の降格クラブが19位リーズ、18位レスターに決定した。

 レスターは1990年代後半にプレミアリーグで上位争いを演じていたものの、2003−04シーズンのプレミアリーグを18位で終えて降格を喫して以降は長らくチャンピオンシップ(イングランド2部)での戦いが続いた。2008−09シーズンにはリーグ1(3部)への降格も経験したが、2014−15シーズンには11年ぶりのプレミアリーグに復帰。2015−16シーズンには“奇跡の”プレミアリーグ制覇を成し遂げ、2020−21シーズンにはFAカップ優勝を経験するなど、強豪の仲間入りを果たす。直近の数シーズンは1桁順位が続いていたものの、今季は第2節から6連敗を喫するなど苦しいスタートに。その後もなかなか状況を立て直すことはできず、来季は10年ぶりにチャンピオンシップでの戦いに身を置くこととなる。

>>2以降に続く
 
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