ニューズウィーク ジャパン より


ジャニー喜多川の性犯罪を黙認してきたジャニーズメンバーは、
被害者であると同時に、その持ちつ持たれつの構造を隠して自らも甘い汁をすすりつづけ、
新たな被害者を生む構造を維持してきた加害者でもあるということを忘れてはいけない。

『売れるためには権力者からの性暴力を受け入れる』という考えは異常であり、
その価値観のなかで生きているタレントたちを応援することは、
結局は業界内の腐敗を進行させることに私たちも加担することになる。 

なので、そういう者が出ているテレビ番組があれば、
チャンネルを変え、CMに出ていればその商品はなるべく買わない、事実を周囲に教えるなど小さな積み重ねが大事だ。
ジャニーズは「コンプライアンス順守」とか「ガバナンス体制の強化」などと過去のできごとを無かったものかのように扱い、
ジャニー喜多川個人の問題だったかのようにすり替えているが、
ジャニーズ事務所は喜多川のものではなく、
性犯罪が行われている当時からの役員やメンバーは、昔と何ら変わりなく存在している組織。
喜多川だけが性と利益の等価交換をしていたという可能性は低いので、
現在進行形でおなじような等価交換が行われている可能性すらある。
 
ジャニーズ事務所とメディアが、ジャニーズ事務所の性暴力構造を「なかったこと」にする以上、
私たちは彼らに「さよなら」を言わなくてはいけない。
この問題は結局のところ、芸能界やメディアの問題である以上に、私たち自身に投げかけられた問題だ。

日本人が「ジャニーズの夢」から覚めるとき
www.newsweekjapan.jp/nishitani/2023/04/post-4_1.php
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