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東京五輪陸上男子50キロ競歩、競い合う丸尾知司(右から2人目)と川野将虎(同3人目)=2021年8月6日、札幌市

突然の変更、競歩界に戸惑い パリ五輪の35キロ「消滅」で―陸上
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 2024年パリ五輪で実施される陸上競歩の混合種目が、男女が35キロずつを歩く方式から42.195キロのリレーに変更された。

 男子50キロ競歩が21年東京五輪を最後に除外されたのに続き、長距離を得意とする選手にとって厳しい決定。世界選手権でも実施されている35キロの「消滅」に、日本選手は戸惑いの声を上げた。

 関係者によると、国際オリンピック委員会(IOC)が、男女の35キロのタイムを合計して争う方式ではレース中の優劣が分かりにくいと指摘。世界陸連と再考し、計42.195キロを男女各1人が交互に2度ずつ歩くリレー方式に決まった。

 東京五輪男子50キロで6位に入賞し、昨夏の世界選手権は同35キロで銀メダルを獲得した川野将虎(旭化成)は「長い距離は競歩の魅力を一番伝えられる。なくなってしまうのはすごく残念」。川野と一緒に世界選手権35キロに出場した松永大介(富士通)は「50キロの選手へのリスペクトがIOCには足りない」と批判した。

 男子20キロで世界選手権を連覇し、世界陸連のアスリート委員も務める山西利和(愛知製鋼)は、「35キロを少なくともパリまでは残してほしい」との選手側の意見を伝えていた。IOCと世界陸連の協議が難航したと聞いたそうで、開催まで1年余りに迫る時点での変更に「あまりにも急な決定」と表情を曇らせた。

 新種目の五輪予選方式はまだ発表されておらず、日本陸連としても代表選考の作業に入れていない。今村文男シニアディレクターは世界陸連に早期決定を求めた上で、「理想と現実がある。慎重に対応していきたい」と述べた。