熱望していたのにWBCを落選して年俸も4億円ダウン……楽天の開幕投手・田中将大「実績の”貯金”は底をついたのか」


開幕が迫るワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた日本代表合宿が2月17日、宮崎市内でスタートした。
大谷翔平、ダルビッシュ有、山本由伸、佐々木朗希、吉田正尚、村上宗隆ら豪華な顔ぶれが集結した侍ジャパンは「史上最強」との呼び声も高い。

多士済々なメンバーが揃う一方、代表チームの若返りを図る目的もあって、昨年の東京五輪で金メダル獲得に貢献した選手の多くが選外となった。

楽天・田中将大(34)もその一人。
”選外組”の多くは自チームでの活動を優先するという名目で辞退したのに対し、田中はかねて出場を熱望していたにも関わらず落選の憂き目を味わった。

メンバー発表直前の1月25日、田中は仙台市で報道陣に自主トレーニングを公開していた。
メディアとの質疑応答の中で、栗山英樹監督から事前に「30人の中には入っていない」と伝えられ、選外であることを自らの口で明かしていた。


WBCに対する意欲は相当なものだった。

昨年10月18日にツイッターを更新し「良い選手が沢山いますし、なかなか簡単なことではないのは重々承知の上ですが、出場したいです!」と立候補を表明。
その後も「どこでもやる気持ち。どんな役割でもベストを尽くす」などと、メディアを通じて栗山監督に売り込みをかけていた。


ダルビッシュが十分に担える

実際のところ田中将大の評価はどうだったのか。NPB関係者はメンバー選考の背景をこのように明かした。

「年明けに先行発表された大谷ら12人はかなり早い段階から確定していた不動のメンバー。監督はコーチらと意見交換しながら最終メンバーの絞り込みを進めていきましたが、辞退者も多くて少し難航はしたのは事実です。候補リストのマー君の名前があったのは事実で、それは本人にも伝えられていましたが、プッシュしていたのは栗山監督だけで他のコーチやスタッフはほぼ全員が反対だったと聞きます。監督は日米での豊富な経験と熱意を評価していたのですが、感情論で彼を選んでしまうと選考基準がブレて不満が出かねない。結束が求められる短期決戦において、チーム内にひずみが生まれることは絶対に避けたいところですから。最終的には誰もが納得するメンバーで戦うという決断に至り、1月中旬にマー君側に落選が伝えられました」


実際に近年の成績を見れば、代表入りした投手と比較しても田中はワンランクもツーランクも下と言わざるを得ない。

それでも、栗山監督はWBCで使用されるメジャー球への対応や、チームメートへの助言など国際大会における精神的支柱といったプレー以外の役割を求めていたとみられる。

しかし、その役割はダルビッシュが十分に担えるもので、メジャー組が多数参戦する今大会において田中はオンリーワンの存在ではなくなってしまったのだ。


https://news.yahoo.co.jp/articles/90fe35270e4a6b96d09aaccba76f2329cea0f18e