文春オンライン8/25
https://bunshun.jp/articles/-/56838

 RSK山陽放送で、報道局の記者がデスクによる暴行があったと訴え、岡山県警が現場となった報道フロアに立ち入り捜査を行っていたことが「週刊文春」の取材でわかった。

 RSKは岡山県と香川県を放送エリアに持つ、TBS系列の準基幹局だ。

「従業員数は約150人で『地域とともに』が社是。これまで香川県豊島の産廃投棄事件のスクープなど、地元密着の報道に力を入れてきた」(地元テレビ局関係者)

 事件が発生したのは、2020年7月14日の午後10時ごろ。この日は定期人事異動の前日だった。RSK関係者が証言する。

「夜勤のため報道フロアに詰めていた男性記者のAさんのもとに、先輩社員である報道デスクのXさんがやってきて激しく詰問。Aさんの隣にあったイスを蹴り上げ、それがAさんに当たったのです」

 X氏は翌日から報道局で勤務する予定だったが、異動してくる自席に、前の使用者の荷物が置いたままになっていた。そこで、X氏がAさんに荷物の片付けを要求したところ、Aさんは「ぼくの物ではないのでできません」と拒否。するとX氏は激高して「お前は俺に、ここ(報道局)に来るなと言っとるんか!」と言い放ったという。

 小誌は当日の模様が収められた報道局の災害カメラの映像を入手。そこには指をさしながらAさんを問い詰め、イスを蹴り上げるX氏の姿が映っていた(動画は「週刊文春 電子版」で公開)。

■「Aに侮辱され、仕方なく蹴りました」
 Aさんは退職を決意した今年3月に、X氏による暴行の被害届を岡山県警に提出。県警は3月31日、報道フロアに立ち入り捜査を行った。X氏は事情聴取に対し、「Aに侮辱され、仕方なく蹴りました」と説明したという。

 その後、X氏は書類送検されたが、7月19日に岡山地検は不起訴処分とした。

 X氏によるA氏への暴行に関してRSKの広報担当に問うと、「個人間の係争関係についてのコメントは控えさせていただきます。(X氏への)処分内容については、個人のプライバシーに関わるため、お答えできません」と回答した。

 しかし、RSKをめぐる事件はこれだけではなかった。

 8月23日(火)12時配信の「週刊文春 電子版」及び「週刊文春」8月24日(水)発売号では、暴行を会社に訴えたAさんが受けた“パワハラ”の詳細、そして新人男性アナウンサーが飲み会の席で「裸踊り」を強要された疑いについて報じる。また「週刊文春 電子版」ではX氏による“暴行”の瞬間の動画を公開する。