阪神は24日のDeNA戦(甲子園)に1―0で勝利し、46勝46敗2分けの成績で前半戦を終了。開幕から1勝15敗1分けと大きくつまずき、4月21日時点でセ・リーグの負債を総抱えする最大16の借金を背負いながら、5月以降徐々に態勢を立て直し、完済ターンに成功した。

 投手力を前面に押し出した、今季の阪神を象徴するような勝ち方だった。先発ガンケルが6回を6安打無失点と安定した投球内容でゲームメークすると、打線は3回に大山の中犠飛で1点を先制。7回は自慢のブルペン陣をマウンドに送り込み、浜地―湯浅―岩崎の3投手による継投で虎の子の1点を守り切った。

 借金完済ターンがかかった「勝負所の一戦」を会心のゲーム展開でもぎ取った矢野監督も、試合後は喜色満面。「いや、もう最高です」と開口一番で笑顔を見せ「3、4月は苦しかった。そんな中でもファンの皆さんが(球場に)応援に来てくださったおかげで、後半戦でドラマを起こす舞台が整った。ここから本当のドラマを起こすため、僕たちが『ドラマを起こすんだ』という気持ちをさらに高めていきたい。絶対に5割にしたい試合で、こうやって勝ち切れたのは本当にうれしい」とコメント。

「首位のヤクルトとの差を考えるというよりも、僕たちの戦いをどれだけできるか。そのドラマを信じた中で貫けるか。そういうことが1番大事だと思っているんで。ぜひ、ドラマを起こしたいと思います」と『ドラマ』という言葉を何度も繰り返し、阪神版「メークドラマ」の実現へ強い意欲を示した。
 
 猛虎はこの日の勝利で2位に浮上。指揮官就任以来、3位→2位→2位とAクラスを保ちながら、頂点には届かずにいる矢野阪神。球団史上最大のドラマで有終の美を飾れるか――。
東京スポーツ
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