2022年7月18日

『ホロライブ』は『にじさんじ』より格下? 格付けをめぐって大激論

VTuber界の二大巨頭と言っても過言ではない『にじさんじ』と『ホロライブ』。かつては隔たりなくコラボする間柄だったが、現在ではほとんど交流がなくなっており、ファン同士がお互いを敵視するような風潮もある。先日も、とある記事がきっかけで「ホロライブ」ファンが怒りをあらわにしていた。


VTuber業界を俯瞰する記事にイライラ

7月12日、『ITmedia ビジネスオンライン』は『「にじさんじ」に続くか? 日本発VTuberプロダクションが急成長』と題した記事を配信。その内容は、「にじさんじ」の運営会社である『ANYCOLOR』が株式上場したことを受け、「ホロライブ」を運営する『カバー』の未来に注目するものだ。

同記事は『Yahoo!ニュース』にも掲載されたのだが、そのコメント欄ではなぜか「ホロライブ」ファンが喧々諤々。《にじさんじが一番だと勘違いしているのだろうか?》《ホロが圧倒的トップでにじは2番手でしょ》《にじさんじに続くかってどう考えてもぶっちぎりトップだろうが》《ホロライブが後を追ってるような書き方だけど、にじさんじの100万人超えって何人だっけ?》と不満げな声が噴出していた。

どうやら記事タイトルの『「にじさんじ」に続くか?』という部分から、「ホロライブ」が業界の二番手扱いされていると解釈したようだ。しかし記事をよく読むと、必ずしも両事務所を格付けしているわけではなく、たんに株式上場の可能性について語っているようにも見える。

そもそも、おそらくこの記事の想定読者はビジネス情報サイトを読む層なので、VTuber業界について深く知っているとは考えにくい。株式上場によって世間の注目を集めた「にじさんじ」を、記事タイトルなどで前面に出すのは、自然なことだろう。

とはいえ、「ホロライブ」ファンが複雑な心中を抱えていることには、一応歴史的な背景がある。おそらく表向きには認めないだろうが、「にじさんじ」へのコンプレックスがあると言われているからだ。

「にじさんじ」と「ホロライブ」の奇妙な関係

そもそもVTuberの歴史を振り返ると、先に存在感を示したのは「にじさんじ」の方だった。一応、ときのそらが先にデビューしているものの、こちらはキズナアイなどの“四天王”路線であり、現在までつながるLive2D路線のVTuberではない。「にじさんじ」月ノ美兎が大ブレイクした後に、「ホロライブ」一期生がデビューした流れだった。

それからしばらくは「にじさんじ」が圧倒的な人気を集め、生配信という活動スタイルを定着させる時代が続く。「ホロライブ」のVTuberたちも、そのスタイルから大きな影響を受けつつ、活動を行っていた。

しかし「ホロライブ」から英語と日本語のバイリンガルである桐生ココがデビューすると、大きな変化が。エキセントリックな配信を連発し、それまで開拓されていなかった海外ファンにリーチすることで、「ホロライブ」が急成長したのだ。

現在、チャンネル登録者数は「ホロライブ」が大きく上回っているが、それでも「にじさんじ」の時代を忘れられない人は多いのだろう。なにかと論争が起きがちなのも、そこに起因しているように思われる。

ただ、今やどちらの事務所もVTuber業界を背負って立つ二大巨頭なので、もう少し心の余裕を持ってもいい気はするが…。

https://myjitsu.jp/enta/archives/108287/2