週刊現代2022.06.26
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/96658

■一軍の練習でも本塁打連発
2022年の春季六大学野球は明治大学の優勝で幕を閉じた。

リーグ戦への出場はなかったものの、1・2年生を中心として争われるフレッシュトーナメントで大きな話題となったのが慶應義塾大学の「サラブレッド」2人だ。

「西武・巨人などで一時代を築いた清原和博氏の息子である清原正吾内野手と、広島一筋で2000本安打を達成した前田智徳氏を父に持つ前田晃宏投手です。

清原選手はフレッシュトーナメントでは全試合4番に座り、強い期待を感じました。中高は野球から離れていたためまだブランクを埋めている途中ですが、ベンチでも声を切らさない姿勢など、スタッフからの信頼も厚い。

打撃練習での本塁打率は1軍メンバーの中でも屈指のため、この秋にはメンバー争に絡んできてもおかしくありません」(スポーツ紙記者)

■投手として頭角を現す「前田智徳2世」
前田投手は慶應高校時代からエースとして活躍し、鳴り物入りで大学野球部へと入部してきた。だが、まずは痛めている右ひざの状態を上げていくことが優先だという。

野球評論家の西尾典文氏が語る。

「高校3年生の夏に膝を負傷してフル回転できなかったことに対し、内心忸怩たるものがあったでしょう。球速は僕が見たときで139キロ。本当はもう少し出ているようですし、これからの成長にも期待です。

もっとも評価したいのは球速以外のところです。まずコントロールが抜群によく、牽制やフィーディングもいい。チェンジアップやスライダーの変化球をうまく混ぜ、完成度が高くまとまっている印象です。

本人の目指す投手像は元広島の北別府学氏。プロ入りは今の時点では未知数ですが、秋のシーズンでは神宮の杜を沸かしてくれそうです」

例年、下級生は夏場の練習を経て、大きな成長を見せる。これからの神宮を担う、若い力の躍動から目が離せない。