スポーツ 野球
2022年04月05日
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現在もリハビリ中

 6試合を終えて4勝2敗とまずまずのスタートを切った楽天。そんな中、「このまま終わってしまうのか」とささやかれているのがオコエ瑠偉(24)だ。2015年にドラフト1位で入団したものの、ここまで鳴かず飛ばず。プロ6年目の昨季まで定位置すら確保できておらず、シーズンを通して一軍に定着したことは1度もない。

 高校時代には、関東一高の目玉選手として3年時に夏の甲子園に出場。準決勝敗退を喫したが、18打数6安打1本塁打6打点、打率3割3分3厘の好成績を残し、プロからも将来を嘱望される存在となった。遠投120メートルの強肩と50メートル走5秒96の俊足を誇り、恵まれた身体能力を駆使しながら順調にステップを踏めば「将来はMLBでも十分に通用するスーパースターになれる」と楽天関係者の大半がそう信じ込んでいた。

 オコエ本人も高校3年当時、一部のメディアに「NPB入りし、数年後にはメジャーリーグでプレーしたい」と語っている。しかし、それも今となっては夢のまま終わりそうな雲行きだ。

 昨年11月30日には「左膝関節軟骨欠損症に対する自家軟骨移植術」を受け、現在もリハビリ中。ファームで日々のメニューを消化しながら実戦復帰を目指しているとはいえ、今後の見通しは非常に厳しいと言わざるを得ない。そんなオコエに対して楽天関係者も「たとえコンディションが万全に戻ったとしても正直、一軍からお呼びがかかるかどうか…といったところ」と評す。

■そして戦犯に

「石井監督もオコエを見限りつつあるようです。一昨年12月のオフ期間中に契約更改でGMとして同席した石井監督からメディアを通じて『まだ考えが甘い。頑張ってほしいというより、そろそろ出てこないと彼自身の野球人生が苦しくなってくる』と最終通告とも受け取れる異例の猛ゲキを飛ばされていたが、当のオコエは相も変わらず“柳に風”のままでした」

 と、前出の楽天関係者。

「その後の昨年2月に右手首を手術し、ようやく8月から2年ぶりに1軍出場。結局42試合の出場で打率2割2分3厘、0本塁打6打点とパッとしない成績に終わった。あれだけのトーンで言われておきながら、この結果では石井監督の堪忍袋の緒が切れたとしても全く不思議ではないと思います」

 実を言えば、オコエは昨季「プロにあるまじき致命的な怠慢プレー」(前出の関係者)をしでかしている。シーズン終盤の昨年10月14日、本拠地・楽天生命パークで行われたソフトバンク戦。チームが3点をリードしていた8回二死満塁の場面で、中堅守備に入っていたオコエがソフトバンク柳田悠岐の中前適時打を内野へ返球する際にもたついてしまう“ポカ”をやらかしたのだ。オコエの中途半端な送球は走者一掃の同点を許し、これが引き金となってチームは勝ち越しされ、オコエは「戦犯」となった。

■順調過ぎるぐらい、順調です

「その試合終了直後、石井監督は務めて冷静に『ミスを責める必要もないんですけど』と前置きしながらも『しっかりと早く内野に返していくのが鉄則なところが、できていなかった』とオコエの怠慢プレーを糾弾。昨季終盤のチームは熾烈な上位争いを繰り広げ、一戦も落とせない状況だっただけに凡ミスによって勝てた試合を落とすきっかけを作ったオコエに対する失望は相当なものだったようです。実際にそのソフトバンク戦の翌日、オコエは登録抹消で即座に二軍降格となっています」(前出の関係者)

 そもそもチーム内ではかねて、オコエについて「危機感がなさ過ぎる」との指摘も飛び交っていた。楽天OBの1人は「奔放な性格は入団してから今もずっと変わらない。プロ2年目が終わりかけの頃、このシーズンは一軍での出場成績が前年を上回っていたこともあり、担当記者に『順調過ぎるぐらい、順調です』と“勘違い発言”を口にして周囲から呆れられたこともあった。こういう自己過大評価の一面が災いし、チーム内でも悪い印象を与えているのは紛れもない事実。それでも結果を出せているなら許せますが、ご覧の通りの体たらくでは残念ながら話にもなりません」と半ば呆れ顔だ。