2月17日におこなわれたスピードスケート女子1000mで、高木美帆(27)が1分13秒19の五輪新記録をマークし、悲願の金メダルを獲得した。


 女子500m、女子1500m、チームパシュートで獲得した3つの銀メダルに次いで、4つめのメダルを手に入れた高木。これで、五輪通算メダル数は7となり、日本女子選手として五輪通算の最多メダル数を更新した。

 1994年に北海道で生まれた高木は、兄と姉の影響で5歳からスケートを始めた。一気に才能を開花させると、ISU(国際スケート連盟)ワールドカップや世界オールラウンド選手権などの国際舞台で経験を積み、平昌オリンピック(2018)で3つのメダルを獲得。名実ともに日本スケート界のエースとなった。

 スポーツジャーナリストが、次のように語る。

「高木選手が生まれた1994年は、大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手をはじめ、今大会でも注目を集めたフィギュアスケートの羽生結弦選手、水泳では世界水泳で4つの金メダルをもつ瀬戸大也選手やリオ五輪(2016)で金メダルの萩野公介選手など、多くの一流アスリートが生まれた年として知られています。

 彼ら『94年組』は、実は “ゆとり世代” ど真ん中です。ゆとり世代とは、おおよそ1987年から2004年生まれを指す言葉です。膨大なカリキュラムを教える “詰め込み教育” から一転して、学習時間を減らし、余裕ある学習指導要項が採用された世代です。

 今ではゆとり教育から脱ゆとり教育に移行していますが、『94年組』は、小学校2年生から義務教育が終了するまで、すべてをゆとり教育のなかで過ごしたのです」

 なぜ、高木ら、ゆとり世代のアスリートたちは、これほどまで大きな実績を残すことができるのか。かつて文部科学省で、ゆとり教育の導入を推進した寺脇研氏に話を聞いた。

「ゆとり教育が始まるまで、学校のことよりスケートや野球に力を入れると、マイナスな意味で人とズレているという意識が社会全体にありました。こういった意識が、ゆとり教育が導入されてから変わったんです」と寺脇氏は語る。

「ゆとり世代より前の人たちは、みんな同じで、平等であればいいと考えていた。つまり、それまでの日本の教育は、みんなを同じ鋳型に当てはめるという考え方だったんです。

 ゆとり教育を導入した当時、文科省は『興味・関心・能力・適正』という言葉を使いました。ゆとり世代になって初めて、興味や関心、能力、適正が人によって違うことが理解されるようになったのです」

 寺脇氏は、ゆとり世代の活躍の背景にあるポイントは3つあると話す。

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FLASH 2/18(金) 21:25
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