産経新聞
2022/2/11 18:51
https://www.sankei.com/article/20220211-2UPSA6MVNRIX7EL3SQ6CGS3QBY/?outputType=theme_beijing2022

【北京=桑村朋】北京冬季五輪のドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)は11日、フィギュアスケート団体で優勝したロシア・オリンピック委員会(ROC)のカミラ・ワリエワ(15)が、昨年12月のロシアの大会でのドーピング検査で陽性反応を示したと発表した。

ITAによると、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が同月のロシア選手権で検体を採取。世界反ドーピング機関(WADA)の検査で禁止薬物「トリメタジジン」が検出され、今月8日に報告された。RUSADAは暫定的な資格停止処分を下し五輪活動を禁止したが、ワリエワ側が異議を申し立てた。審議の結果、9日夜にRUSADAが処分を解除、活動継続を認めた。

ITAは、16歳未満の選手を保護対象とするWADAの規定や管轄外の五輪前の事案だったことを理由に公表していなかった。「一部で報道が出ており、公共の利益のために公表した」と説明。処分解除の理由は「近日中に関係者に通知する」としている。

国際オリンピック委員会(IOC)は処分解除決定を不服とし、ITAの主導でスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴する方針。15日の女子ショートプログラムを前に行う予定だが、ワリエワが出場できるかどうかは不透明だ。

IOCのアダムス広報部長は11日の会見で、「未成年という点は重要だ」として、「なるべく早く解決したい」と回答。8日夜から延期されたフィギュア団体の表彰式が五輪閉幕後になる可能性も「ゼロではない」とも述べた。