Part2■
専務は一呼吸おいて笑顔で告げた「我が社専属の枕営業要員だよ!」
美波は愕然とした。噂に聞いたことはあったが、まさかうちの事務所がそんな事やるなんて。
「それとも今回の莫大な借金を、君は今すぐ返済できるのかね?」
動揺を隠しきれない。足元が震えている。他人事ではなく、この私が枕営業をさせられるんだ…。

「スポンサーやテレビディレクター、映画監督なんかに君は大モテだからなガハハ!」
マネージャーもトップダウンと諦めたのか「優しいオジサマばかりよ。心配しないで」と説き伏せる。

「わかりました。美波は、モネちゃんたちが売れるための踏み台になります。」大粒の涙が頬をつたう。
(泣いちゃダメ!私が憧れる昭和の大女優のように、凛としてなくちゃ)
美波は自分にそう言い聞かせ、心配そうに肩を抱くマネージャーの手を振りほどいた。
そう、美波の新たな女優人生が、これから始まるのだ。