MVPを巡る議論は日増しに白熱

 大谷翔平はMVPにふさわしいのか。今季のレギュラーシーズンが佳境を迎えるなか、MLBをこよなく愛するファンやメディアの間で、しきりにかわされている議論のテーマだ。

今季の快進撃を考えれば、「イエス」というのが、妥当かもしれない。打っては本塁打王争いの上位に位置する44本塁打に加え、打点(94)とOPS(.953)もハイアベレージをマーク。投げてもここまで9勝(2敗)を挙げ、防御率も2.79と安定感を維持している。投打の両方で、球界全体を巻き込む大フィーバーを演出してきたのだ。

 一方でライバルの勢いも見逃せない。とりわけ本塁打王争いでトップに君臨するブラディミール・ゲレーロJr.は、三冠王も十分に射程圏に入れている。仮に達成すれば、MLB史上最年少での快挙だ。

 ここにきて大谷がスランプに陥っている影響もあり、MVPを巡る議論は日増しに白熱している。いまや現地メディアで取り上げられない日がないほどのトピックとなった。そんな話題に日本でも人気を博したOBが切り込んだ。元オールスター戦士でもあるマイク・キャメロンだ。

 MLB8球団を渡り歩いた現役時代には、通算278本塁打を記録したほか、3度のゴールドグラブを獲得。球界屈指の5ツールプレーヤーとして鳴らした。そんなキャメロンは、マイアミ・マーリンズ時代の同僚でもあるドントレル・ウィリスが投稿した「MVPはオオタニかブラッディJr.か」というツイートに、次のような私見を寄せた。

「オオタニだ。すべての人が彼の側に立たなければならない。このMVP争いで対抗できるのはバリー・ボンズのような選手だけだ。オオタニはすでに44本塁打を打っている。しかも100打点にすごく迫っていて、防御率も3点台だ」

 奇しくも現役時代に、日本人で唯一MLBでMVPを受賞したイチロー(2001年)と同僚だったキャメロン。サムライのなんたるかを熟知する男が、大谷のハイパフォーマンスに太鼓判を押した。

構成●THE DIGEST編集部

https://news.yahoo.co.jp/articles/1c6b6f6e7392a9af9980480d832e2fbc2ed841e3