放送席から見る東京六大学野球 個性豊かな選手たちの競演

●明治OB 広澤克実さんの「居酒屋解説」!?
 ABEMAの東京六大学野球中継で密かに話題を集めているのは、明治大学OBでヤクルト・巨人・阪神で活躍した広澤克実さんの個性的な解説です。

「よっ!世界三大校歌!」
「今のプレー、島岡御大が生きていたらとんでもないことになっとるよ!」
「3塁走者の『当たりゴー』スタートは俺がきっかけで生まれたんだ。ヒロサワスタートと呼んでほしいね」
「最近の大学生はなんで曇りなのにサングラスするんだ?」

 ABEMAの東京六大学野球中継では、広澤さんのこんな言葉が飛び交います。まるで野球好きがお酒を片手に自らの野球論を自由に語るような、言うなれば「居酒屋解説」。六大学を愛するがゆえの熱いコメントや、厳しいコメントも見どころの一つです。また試合中には、広澤さんが明治大学に在学していた、昭和の古き良き(?)時代の裏話や、過去にプロで対戦し交流があった選手の秘話など、ここでしか聞けない話が次々と飛び出します。

 実況の私も、試合展開と相談しながらではありますが、程よい「脱線」具合になるように話を広げていくことを心がけ、多くの野球ファンが楽しめるよう、他のスポーツメディアとは一線を画した中継を目指しています。

 さらに、ABEMAには「コメント機能」があり、視聴者のみなさんも野球談義に参加することができます。広澤さんも中継中はタブレットを常に手元に置いて(一度ゴルフ場に忘れてきたことはありましたが)、みなさんの野球論に反応します。話題の中で「あの選手誰だっけ〜?」と個人名がすぐに出なかった時は、私や中継スタッフが調べるよりも早く、コメント欄のみなさんがすぐに教えてくれます。このように双方向的に話題が展開することも、ABEMAの東京六大学野球中継の特徴の一つです。

 秋季リーグの中継には広澤さんのほかにも、慶応OBの加藤幹典さん、東大OBの小林至さん、法政OBの大引啓次さんに加え、法政OBのG.G.佐藤さんも解説に初登場する予定です。

●観客制限が続く東京六大学 春には無観客開催も
 当初9月12日までとされていた緊急事態宣言の期限が延長され、秋季リーグも観客上限を5000人とするなど、まだまだ「いつもの東京六大学野球」は帰ってきていません。本来ならば大観衆とともに試合を熱く盛り上げる六大学の応援団も、観客のいない外野席で距離を取った上で応援し、選手たちの背中を押します。

 春季はリーグ戦の途中で感染状況が悪化し、応援団も入れず、無観客開催となった試合もありました。その無観客となった試合の中継で、私は広澤さんに「応援の声がない中で、選手たちはプレーのしづらさなどを感じるでしょうか?」と聞いたことがありました。すると広澤さんは「無観客になっても選手のパフォーマンスは変わらない。なぜなら、選手は普段から球場で耳にする声援だけでなく、家族や周囲の人たちなど、支えてくれる方々の『声援』以外の後押しを普段から既にたくさん感じて力に変えているから。無観客でもそれは同じこと」とおっしゃっていました。

 満員の観客でなくとも、画面を通して応援している多くの人たちの想いは、選手に必ず届き、確実に背中を押しているのです。私もその想いを乗せながら、放送席から選手たちの勇姿を伝えつつ応援したいと思います。東京六大学野球秋季リーグは9月18日に開幕。今シーズンはどんなドラマが待っているのでしょうか。

(一部略)


ANN2021/09/17 09:00
https://news.tv-asahi.co.jp/news_sports/articles/000229167.html