その他、今夏の補強で注目される選手が、C大阪に10年ぶりに復帰した乾貴士とFC東京に11年ぶりに復帰した長友佑都だろう。ともに欧州トップリーグ、さらに本代表での経験も豊富なレジェンド。乾は早速、9月5日のルヴァン杯・G大阪戦で復帰後初出場を果たして錆びつかない技術を披露した。長友は9月12日に獲得が発表されたばかりだが、代表戦にも出場しておりコンディション的な問題はない。乾は33歳、長友は35歳という決して若くない年齢だが、ともに今季中位に甘んじているチーム(C大阪が12位、FC東京が9位)の再建の旗手になれる求心力を持っており、この2チームが上位争いに加わることで、再び「戦国Jリーグ」と言える混戦状態になる可能性は大いにある。

 また、楽しみな若手が多く揃う中で安西幸輝を獲得した鹿島、下位に沈んでいるが、藤本憲明、松岡大起など大量補強に成功した清水、戦力的には上位と遜色のないG大阪なども控える。4年間で3度のリーグ制覇を果たした川崎の“黄金時代”が続いていた近年のJリーグだが、今夏の移籍期間を経て、その勢力図が大きく変わりそうな気配が漂う。すでに始まっている今季の後半戦、そして残り10試合の戦いから、Jリーグの“次なる盟主”が生まれることになるかも知れない。